不登校生のための「後で悔やまない学び場選び」


※当事者の子どもや親の立場から考える教育ネットワーク・ニコラの活動を続けて15年、
※子ども達と教育の実践を行なうフリースクール・ぱいでぃあの活動を始めてから10年が経ちました。
私達はNPO法が成立するずっと前から、不登校の子ども進路を選ぶ非営利の社会活動を自前で行なってきました。

今、その間の活動を振り返り跡づける作業をしています。
と同時に、不登校の子ども達やフリースクールの今後を考える考察も行なっています。

その作業の一つが、この
不登校生のための「後で悔やまない学び場選び」
という考察です。
 不登校になったお子さんにとって一番大事なことは、まず自分に自信を取り戻し元気になってもらうことです。
 でも、元気になることと並行して、自分づくりのための勉学等の活動もおろそかにはできません。
 そこで、どういう学び場を求めたらいいのか、お子さんとよくお話の上お決めになってください。
 そのための一助となれば幸いです。
 @不登校生の受け皿としての二種類の学び場
 A不登校の事由や状態によって分かれる進路
 B不登校生の個性と社会性について
 C不登校生の心と身体
 D不登校と日本の教育の問題
 E不登校の子どもと家庭

以下、順次続きます。

疑問の点は、
NPO法人 教育ネットワーク・ニコラ (電話:048-813-6177)
までご連絡をください。

不登校生のための「後で悔やまない学び場選び」
  @不登校生の受け皿としての二種類の学び場

▼不登校生のための2種類の学び場
 学校を離れたいわゆる不登校の子どもを受け入れる学び場として、現在二つの活動があります。一つは「フリースクール」と言われるところ、もう一つは一般にサポート校と言われるところです。
 この二つは公立や私立の学校ではなく、民立の学び場であるのが普通です。

▼学校と同じ全日制の学び場
 そして、学校で一般の授業が行なわれている時間帯にやはり同じように授業が行なわれています。つまり全日制の学校です。ここが、一般に学校の子ども達を対象に、学校の終わった時間帯(主に夕方から夜間)に、学校の下請け機関として教科学習に特化した活動を行なっている学習塾や進学塾とは大きく異なるところです。

▼子ども主体の学び場
 ただし、公立や私立の学校が学校教育法の一条校として文部科学省の指導に則った上からの指導が行なわれているとすれば、フリースクールやサポート校という学び場においては、生徒の要望に基づいた生徒主体の授業が行なわれているのが特徴です。

▼フリースクールには学校に席のある子達が学ぶ
 では、フリースクールとサポート校等はどこがどう違うのでしょうか。
 まず、フリースクールは主として対象学年が小学生や中学生という義務教育段階の子ども達であり、一般の学校に籍のある子ども達が通ってきますので、卒業も一般の在籍校卒ということになります。また、中学進学や高校進学に関しては子どもが望むとこならどこでも受けられるように授業が組み立てられています。

▼サポート校等は通信制の高校生中心
 それに対して、不登校生の受け皿としての通信制のサポート校や技能連携校の場合には、対象学年が高校生となり、しかも一般的にそのサポート校や技能連携校が提携している通信制高校の卒業となります。そういう高等部を運営するサポート校や技能連携校が付属として設けているのが中等部などの機関です。しかし、それがフリースクールの場合と大きく違うのは、中等部を終えたなら、そのままサポート校や技能連携校に進学することを想定していて(つまり外部受験は考えていない)、一般にはそれに必要な授業しかしないということになります。

▼高卒資格取得か大学進学目的か
 ですから、本人が障害を抱えていて一般の高校に進学するのは難しいとか、サポート校などで高卒の資格さえ取得すればそれでいいとお考えなどの場合には構いませんが、中学で元気になって一般の公立高校や私立高校、場合によっては有名大学進学のための受験校を受験させたい(ここはお子さんとよく話し合ってください)などという希望のある場合には、よく考えて通わせるスクールを決めることが必要です。高校選びはお子さんの進路選択にとても重要です。(これは中学受験の場合も同じです)

▼お子さんに相応しい学び場を見極めて
 でも、中にはこの区別が紛らわしく、フリースクールと謳ってはいるけれども、現実には高等部が併設しており、学業の中身や活動の内容もサポート校のそれである場合がありますので注意が必要です。お子さんに何を目的として通わせるのか、よくお考えになって、お子さんに最も相応しい学びの道を選んでほしいと思います。

▼長年の経験に基づいた適切なアドバイスを
 今まで不登校生等と15年間ともに歩んでくる中で(私たちの出発点は不登校の子ども達に未来への道をつける活動でした)、進路選びに悔やまれた思いをされた方を何人も見てきました。後で悔やまれても遅いのです。時間を巻き戻すわけにはいきません。お子さんや親御さんには始めての体験でも、私たちは長い間それをボランティアでやってきました。事前にご相談があれば…とこちらも悔やまれたものです。お気軽にご相談下さい。適切なアドバイスを差し上げます。電話での無料相談も行なっています。