2007/04/30

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 道徳教育は評価になじまない、と…  

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3月26日、中央教育審議会会長の山崎正和氏が、東京都内で行われた日本記者クラブ主
催の講演で、「個人の立場」とした上で「現在の学校制度の下で倫理や修身をやるのは無理だ。道徳教育は必要ない」と語ったという。

むべなるかな…という心境である。さすがにこの人は権力に軽々しく迎合しない自分の哲学を持っていらっしゃる。

実は、山崎氏は19995年ごろ、経済同友会が開催した教育改革の提言「学校から合校へ」の発案者の一人であり、その発表の会合には私も参加して、彼の発表を聞いていた。あ
まつさえ、その提言も全文を経団連の許可をとって、私の発行する雑誌で掲載したという経緯もある。

が、正直なところ、私は彼が好みではなかった。いろいろ批判したいことも多かった。だが、今回の彼の発言は素直に評価できる。これは教育再生会議が安部ちゃんに色目を使っていい子ぶって出してきた道徳の正式教科化への率直な疑問の声であろう。

人の内面の自由は不可侵のものである。他人が土足で入り込んでいいというものではない。まして公権力が教育に名を借りて国民の道徳性や倫理性を決めるなどもっての外である。決まりは法律で決めればいいことである。教育再生会議のメンバーにはそこのところが分かっていない。

いや、考えて見ればこれは恐ろしいことである。出来損ないの法治国家が権力によって国民の精神を支配したがる。そして、出来損ないの半端者がその支配を歓迎するのだ。

山崎氏もたまにはいいことを言う。
これは好悪の問題ではない。