2006/11/12 19:22
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 教育シンポジウムに参加して…見えない方向性  

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「教育シンポジウム“市の教育を考える”」
開催のチラシにはそう書いてあった。日付は11日の午後2時である。場所は一駅の距離のところ。「出来たら行こう」と控えてあったものだ。それで、急いで出かけることにした。現地に着いたときは既に始まっていたが、それでも何とか間に合った感じである。

パネリストは中高の教員、フィンランド教育視察報告者、市会議員、そして市教委から一人、コーディネーター…と言うようなメンバーであった。話題はいじめ・自殺、学校教育の問題、市の教育政策、フィンランドの教育など多岐にわたったが、焦点が拡散していて今ひとつ捉えどころがない。参加者が共有していた理念は、「30人学級の実現」「教育基本法改悪反対!」という点だけであろうか

教育問題の捉え方一つにしても、愚痴の言い合いに近く、「今一体何が問題なのか」ということが明確にならない。他人に擦り付ければそれでよい、自分達のせいではない、と言いたげでもある。「ああ、内部から教育を変えるのはとても難しいんだ」と実感した次第である

パネリストからの発言と会場からの発言で幾つか書き留めたのは以上のようなこと。
▼小学校教師:学校で議論する場がなくなっている。
▼教育長は「愛国心は評価できない」と6校全てから削除した。
▼教育長は少人数学級の実現の約束をした。
▼スウェーデンでは生活の中に図書館がある。コンビニの数より図書館が多い。学校教育は小学校から大学まで全て只。子どもがとても大事にされている。
▼スウェーデンでは親の帰宅時間が早い。4時頃には帰宅している。
▼今、高校教育が大変だ。小学校4・5年で少数などで躓く。授業の中できちんと分からせるのが難しい。子どもにこれ以上競争させないで欲しい。
市の教委:総花的な教育論を展開したが、ほとんどは机上の空論かな。
 ・人間関係を構築するのが苦手な子ども達
 ・小5から英会話によるコミュニケーションを
 ・子どもの増加による小学校の新設。 ← 全国的な少子化の中でこの辺だけは人口が増えているのだ!(筆者注)
フィンランド視察からの報告
 ・フィンランドは日本の20分の一の人口。
 ・日本に習い6・3制から9年生に移行する。
 ・1クラスは20人前後。学校の規模は163人。
  少人数の中で行き届いた教育が行われている。
 ・4つの理念
   (1)平等 (2)無償 (3)共通教育(習熟別ではない)(4)教育政策の合意
 ・カリキュラムは市町村教委と学校で決める。
▼市では昨年、小小学校で61件、中学校で192件のいじめがあったという。

最後の最後に発言の機会が回ってきて、フリースクールのことと教育バウチャーのことについて少し触れさせてもらった。それはここでは省略する。

日本の教育はどこへ向かうのか…教職員が中心のこの教育シンポジウムからもそれが見えてこない。旧態依然の発想があるばかりだ。