□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
笑うに笑えない話……日本の首相の語ったこと
□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□■□
教育の話しとはずれてしまうが、一言コメントしたいこと
ちょっと少し前の新聞記事に書かれていたことだが、新年の1月5日、安倍首相は「ホワイトカラー・エグゼンプション」の導入について記者に訊かれ、<労働時間短縮につながり、さらに家で過ごす時間も増え、出生率増加、つまり少子化(対策)にも繋がるのではないか>、という趣旨の考えを示したという。残業手当があるから会社に残って働こうとすると人が多いのだと本気で考えているかのようだ。
まさに「えっ、えっ、えー」といった感じだ。本気?冗談で言ってるんじゃないの?新春のお笑いじゃないの?それにしても見方によっちゃー随分際もの的な発言だなー。吉本新喜劇以上にぶっ飛んでいるよ!こんな発言はあのパフォーマンス好きの前小泉首相でもちょっと出来ない芸当だね。
「ホワイトカラー・エグゼンプション」というのは、「一部のホワイトカラー労働者には<1日8時間、週40時間>の労働時間規制を適用せず、残業代も支払わない制度」とのことだという。「現在の労働時間規制はブルーカラー労働者には適切だが、ホワイトカラー労働者には適切ではない」と日本経団連が提言したのが事の発端らしい。これはトップクラスの管理職にとってはどうということのない決まりだろう。むしろ社員対策としては歓迎すべきことなのだろう。だが問題はそこにはない。問題は管理職とは名ばかりで、実質は一労働者に過ぎない人たちの場合だ。基準となる年収は多少高めに設定されるのだろうが、彼らは労働者としての権利を奪われた上に、今度は無制限の労働時間が待っていることになる。金のための骨身を削る状況がさらに進行するのではないか。今までもそういう事例は多くあったが、今度はそれが公然たる法制度として認められるわけだ。
当然、連合や与野党の心ある人たちから導入反対の声が上がっている。経団連は会長をはじめ導入推進派だが、良識派の多い経済同友会は反対している。これ以上日本経済が偏りを見せると、その先にあるのは破綻した日本の姿ではないのか。
安倍首相はそこのところが分かっていて発言したことなのか。それとも世の現実は何も知らないお坊ちゃま発言としてああ言ったのか。どちらにしても、この人に任せていては日本の将来はないと思わざるを得ない。この人は敗戦後今に至るまで日本人が営々として作り上げてきた日本社会の汗の結晶を突き崩すことに嬉々として取り組んでいるように見えて仕方がない。もしかしたら、この人は戦後の日本の展開に深い恨みでもあるのではなかろうか。そんなことさえ考えてしまう。